「最近、うちの猫の呼吸がなんだか速い気がする…」という違和感を感じたことはありませんか?
猫の呼吸は非常に繊細で、少しの変化が体調不良や病気のサインであることも少なくありません。動物看護師として多くの猫を見てきた経験から言えるのは、「呼吸の異常に早く気づくことが、命を守る第一歩」ということです。
この記事では、
- 猫の安静時の正常な呼吸数
- 呼吸が早いときに考えられる原因
- 家庭でのチェック方法
- すぐに動物病院を受診すべきサイン
を、専門的な知識と現場の視点からわかりやすく解説します。
猫の安静時の正常な呼吸数とは?

まず押さえておきたいのは、「正常な呼吸数」の基準です。
正常な呼吸数の目安
- 安静時(静かに横たわっている/リラックスしているとき)で、だいたい 20〜30回/分 程度という記載が多く見られます。
- 一部の資料では、「30回以上が持続するなら要注意」あるいは「30〜35回以上で異常とみなすこともある」というガイドラインがあります。
- また、「16〜40回/分」が猫の休息時の広い参考範囲として挙げられている資料もあります。
補足ポイント
- 個体差があります。環境(温度、興奮状態、運動直後など)や測定状況(リラックスしているか、動いていないか)で呼吸数は変わります。
- 「普段この子は何回/分くらいか」を知っておくことが、異常を早期に見つける鍵です。
- 検査室や動物病院など緊張状態では、安静時より呼吸数が上がることが研究でも確認されています。
呼吸が早くなる原因と考えられる病気

猫の呼吸数が速くなる原因は、単なるストレスから重篤な心疾患までさまざまです。以下に主な原因を挙げます。
① 呼吸器系の異常
- 猫喘息(気管支喘息):咳やゼーゼーという呼吸音が出ることがあります。
- 肺炎・肺水腫:呼吸音が荒く、胸を使って呼吸したり、口を開けて呼吸するような場合もあります。
- 胸水(胸腔内に液体がたまる)・気胸(空気が胸腔にたまる):肺が十分に膨らみにくくなり、呼吸が速く浅くなることがあります。
② 心臓疾患
- 特に多いのが、例えば 肥大型心筋症(HCM)などの心筋の病気。初期は無症状でも、進行すると呼吸数が増え、浅くなったり、胸水がたまることがあります。
- 呼吸数が安静時でも30回以上になる場合、心不全の早期サインになるという資料もあります。
③ ストレス・高温環境・運動後
- 猫でも、強い緊張・恐怖・暑さ・運動などで一時的に呼吸数が上がることがあります。
- ただし、「落ち着いた後も呼吸数が高い」「口を開けてハァハァしている」などの場合は、正常な運動後/暑さ後の変化を超えている可能性があるため注意が必要です。
- 猫における「パンティング(口をハァハァさせる)」は、通常はあまり見られないため異常サインとされることがあります。
④ その他の要因
- 肥満:体重過多の猫は呼吸負荷が増し、安静時の呼吸数が高めになる傾向があります(資料では明確な数値示されていないため、補足説明として)。
- 痛み/ショック:どこかに痛みがある・ショック状態にあると、呼吸数が増加することがあります。
- 貧血:酸素を運ぶ赤血球が少ないと、酸素不足を補おうとして呼吸数が増えることがあります。
自宅でできる!猫の呼吸数の測り方

動物病院では呼吸数を数値で把握しますが、家庭でも簡単にチェックできます。
【測定手順】
- 猫がリラックスして寝ているとき、あるいは静かに横たわっているときを選びます(浅い眠り〜うとうと状態が理想)
- 胸やお腹の動きを見て、1回の上下運動=1呼吸として数えます。
- 1分間通して数えるのが最も正確ですが、手軽には 15秒間数えて × 4 で1分あたりの呼吸数を算出する方法も多く紹介されています。
📋 測定のポイント
- ストップウォッチやスマホのタイマーを使うと、より正確に測定できます。
- 食後すぐ/運動直後/興奮状態/高温環境での測定は避けるべきです。変動要因が多いため。
- 複数回測定して平均を取ると信頼性が高まります。
- 継続的に記録しておくことで、「この子のいつもの呼吸数」を把握でき、変化に気づきやすくなります。
- 動物病院では緊張などで呼吸数が高く出ることも多いため、自宅での測定値の方が“普段の状態”を反映している可能性が高いです。
年齢・状況による違い
- 子猫:成猫よりも呼吸数がやや多めである可能性があります。
- 高齢猫/心肺疾患のリスクがある猫:特に呼吸数変化に敏感になるべきです。
- 測定はできるだけ「静かな環境」「猫がリラックスしている状態」で行うのが望ましいです。
すぐに動物病院へ行くべき危険サイン

以下のような症状が見られたら、一刻も早く受診してください(緊急度が高いサインです)。
- 口を開けてハァハァしている(猫は基本的に口呼吸をしません)
- 鼻や口のまわり、歯茎が青白い(チアノーゼ):酸素が十分に行き渡っていない可能性。
- うずくまって動かない、声を出さない/反応が鈍い
- 呼吸のたびにお腹や胸が大きく動く(努力呼吸)
- **呼吸が「浅く速い」または「荒く苦しそう」**に見える
- 横になれず、座ったまま・立ったまま呼吸している
- 明らかに普段と違う姿勢・動き・表情を伴っている
これらの状態は、重度の呼吸困難や心肺の異常が起きている可能性があり、夜間・休日でも迷わず救急受診を検討してください。
動物看護師からのアドバイス

現場で感じるのは、「飼い主さんの“気づき”が猫の命を救う」ということです。
実際に、呼吸数を自宅でチェックしていて「いつもより速い」と気づき、早期に来院したことで肺水腫の初期段階で治療できたケースもありました。
また、慢性疾患を持つ猫の場合、呼吸数を毎日メモして獣医師に共有するだけで、治療方針の精度が上がることも多く感じています。
普段から愛猫の「いつもの呼吸」を知っておくことが、異常の早期発見につながります。
まとめ
| チェックポイント | 内容 |
|---|---|
| 正常な呼吸数 | 安静時でおおよそ 20〜30回/分 が目安(個体差・環境差あり) |
| 要注意の目安 | 安静時に 30回以上/分が継続、または普段より明らかに速い場合 |
| 危険サイン | 口呼吸・チアノーゼ・努力呼吸・ぐったりしている等 |
| 自宅での観察 | 胸やお腹の動きを1分間カウント(または15秒×4) |
| 早期発見のコツ | 「いつもと違う」に気づくこと。数値ではなく“その子の普段の状態”を把握することが重要 |
猫は本能的に体調不良を隠す動物です。
だからこそ、飼い主さんが猫ちゃんの変化に敏感になることが何より大切です。
もし「いつもより呼吸が速い/なんだか苦しそう」と感じたら、迷わず獣医師または動物看護師に相談してください。早期発見・早期治療が、愛猫の命を守ります。
猫ちゃんの 食事・生活習慣・病気予防 など健康に役立つ記事もまとめていますので、ぜひこちらも参考にしてみてください

著者紹介
実体験をもとに「猫と快適に暮らすヒント」を ”ねこだよ!” で発信中。
私たちの日常の様子は、YouTubeでも紹介しています。
みーちゃん family – YouTube
※免責事項
本記事の内容は一般的な参考情報です。
すべてのペットに同じ効果があることを保証するものではなく、個体差があります。
健康管理やケアは、必ず獣医師などの専門家にご相談のうえで行ってください。
自己判断での治療やケアは避けるようにしてください。

