生後2〜3ヶ月の子猫は、成長が著しい時期。そんな中で「お腹がぽっこりしている」「なんだか張って見える」と心配される飼い主さんは多いです。実際、動物病院でもこの時期の”お腹の膨らみ”に関する相談は非常に多く、健康な成長の証である場合もあれば、寄生虫感染や病気のサインであることもあります。
ここでは、現役動物看護師として実際の臨床現場で見てきた経験をもとに、子猫のお腹が膨らむ原因と見分け方、受診の目安を詳しく解説します。
🧸 生後2〜3ヶ月の子猫に見られる「正常な膨らみ」とは

✅ 子猫特有の「ぽっこりお腹」
離乳期を終えたばかりの子猫は、腹筋や内臓を支える筋肉が未発達なため、お腹が丸く見えることがあります。特に食後はフードやミルクが胃や腸に入ることで、一時的にお腹がふくらむのは自然な現象です。
正常な場合の特徴:
- 食後しばらくして落ち着く
- 触ると柔らかく弾力がある
- 元気・食欲があり、排便も正常
こうした場合は成長に伴って自然に解消していくことが多いです。
🪱 お腹が異常に膨らむ場合の原因

① 寄生虫感染(回虫・条虫など)
最も多い原因がこれです。生後2〜3ヶ月の子猫は、母猫の胎内や母乳を通じて寄生虫(特に回虫)をもらうことがあります。
症状の特徴:
- お腹がパンパンに張る
- 排便時に白〜クリーム色の細長い虫(3〜10cm程度、スパゲッティ状)が混ざる
- 嘔吐や下痢がある(嘔吐物に虫体が出ることも)
- 被毛がパサつく、体重が増えにくい
👉 実際の臨床現場から
動物病院では、野良猫や保護猫の初診時に便検査を行うと、高率(7〜8割程度)で何らかの寄生虫卵が見つかります。一方、ブリーダーから迎えた子猫では駆虫済みのケースも多いです。市販薬では駆除しきれない場合があるため、動物病院で適切な駆虫薬を処方してもらうことが大切です。
② 消化不良・食べ過ぎ
急にフードを切り替えたり、一度にたくさん食べすぎると胃腸にガスが溜まり、膨満感が出ることがあります。
特徴:
- 食後すぐにお腹が膨らむ
- 数時間で自然に落ち着く
- 元気はある
💡 看護師のワンポイント
フードを一度に与えず、1日3〜4回に分けて与えると胃腸への負担を減らせます。
③ 腹水・内臓疾患
ウイルス感染(例:猫伝染性腹膜炎〈FIP〉)や心臓・肝臓・腎臓の異常、栄養不良(低アルブミン血症)などで腹腔内に液体が溜まると、お腹が異常に膨らみます。
疑うべきサイン:
- お腹を触ると張っているのに弾力がない、重そうな感じがする
- 食欲・元気がない
- 呼吸が早い、動くとすぐ疲れる
- 歯茎や舌の色が白っぽい
注意: FIPは生後2〜3ヶ月では比較的稀で、むしろ先天性心疾患や肝臓疾患の可能性も考慮する必要があります。このような症状がある場合は、早急に動物病院へ。超音波検査や血液検査で原因を特定し、早期治療につなげます。
🩺 こんなときはすぐ病院へ

- お腹が数日間ずっと張っている
- 下痢・嘔吐・元気消失がある
- 便に虫や血が混じる
- 呼吸が苦しそう
- 食欲不振・体重が増えない
- お腹が異常に張って重そう
特に生後3ヶ月未満の子猫は、体力が少なく症状が急変しやすいため、迷ったら早めに受診してください。
🧼 自宅でできる予防とケア

- 定期的な便検査と駆虫(生後2週〜3ヶ月頃までは動物病院の指示に従って数回実施)
- 清潔なトイレ環境の維持
- フードを急に変えない
- 体重を週1回は測定して記録
- 異変があれば動画や写真で記録しておく(診察時に役立つ)
- 初回ワクチン接種時の健康診断を受ける
- 保護猫の場合はウイルス検査(FeLV/FIV)も推奨
🩷 看護師として伝えたいこと

私が勤務する動物病院でも、「お腹が膨らんでいる子猫」が受診して、回虫の駆除だけで劇的に元気になったケースをたくさん見てきました。
しかし中には、寄生虫ではなくFIPや心臓病など重い病気が原因だった例もあります。大切なのは、「ただのぽっこり」と自己判断せず、必ず一度は動物病院で検便と健康診断を受けることです。
まとめ

| 原因 | 主な特徴 | 対処法 |
|---|---|---|
| 成長期の膨らみ | 柔らかく一時的 | 様子を見る |
| 寄生虫感染 | 張り・嘔吐・虫体の混入 | 駆虫薬+検便 |
| 消化不良 | 食後のみ膨らむ | 食事管理 |
| 腹水・疾患 | 張りが続く・弾力がない・元気低下 | 早期受診 |
子猫の健やかな成長のために、日頃の観察と適切なタイミングでの受診を心がけましょう。
猫ちゃんの 食事・生活習慣・病気予防 など健康に役立つ記事もまとめていますので、ぜひこちらも参考にしてみてください

著者紹介
実体験をもとに「猫と快適に暮らすヒント」を ”ねこだよ!” で発信中。
私たちの日常の様子は、YouTubeでも紹介しています。
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※免責事項
本記事の内容は一般的な参考情報です。
すべてのペットに同じ効果があることを保証するものではなく、個体差があります。
健康管理やケアは、必ず獣医師などの専門家にご相談のうえで行ってください。
自己判断での治療やケアは避けるようにしてください。

