「最近、うちの猫のおしっこの回数が減った気がする…」
そんな小さな変化が、実は病気のサインになっていることもあります。
この記事では、実際の症例をもとに「猫のおしっこ回数が少ないときに見るべき3つのサイン」と「受診の目安」を、わかりやすく解説します。
🧭 正常なおしっこの回数と量の目安

| 項目 | 健康な猫の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 排尿回数 | 1日2〜4回 | 食事内容・水分摂取・季節で変動 |
| 尿量 | 約20〜40mL/kg/日 | 4kgの猫なら約80〜160mL/日 |
| 1日の総水分必要量 | 約50mL/kg/日 | 食事中の水分を含む |
| 飲水量 | ドライフード:40〜60mL/kg/日 ウェットフード:10〜30mL/kg/日 | 食事の水分量で変動 |
| 尿の色 | 淡い黄色〜薄黄色 | 濃い・赤い・濁っている場合は要注意 |
🔍 ポイント:
「数値」よりも、「いつもと比べて減っていないか」が大切です。
気温や湿度、年齢によって±30%ほど変動することもあります。
🧪 対照的な2つの症例から学ぶ

同じように「おしっこの回数が減った」ケースでも、受診のタイミングによって結果が大きく変わります。
✅ 症例A:早期受診で軽症で済んだケース
| 日 | 回数 | 状態 | 気づいた変化 | 飲水量 | 対応 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 3回 | 普通 | 問題なし | 約180mL | 経過観察 |
| 2日目 | 2回 | やや少なめ | 水をあまり飲まない | 約100mL | 注意して観察 |
| 3日目 | 2回 | 少量・やや濃い | トイレ滞在が長い・元気がややない | 約80mL | 夕方に受診 |
診断: 軽度の膀胱炎
治療内容: 内服薬+療法食
費用: 約1.2万円
入院: なし(通院のみ2週間ほどで完治)
❌ 症例B:受診が遅れて重症化したケース
| 日 | 回数 | 状態 | 気づいた変化 | 飲水量 | 対応 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 3回 | 普通 | 問題なし | 約180mL | 経過観察 |
| 2日目 | 2回 | やや少なめ | 水をあまり飲まない | 約100mL | 様子見 |
| 3日目 | 1回 | 少量・濃い | 鳴く・トイレを行き来 | 約60mL | 様子見 |
| 4日目朝 | 0回 | 排尿なし | トイレを何度も出入り・下腹部を嫌がる | ほぼ飲まず | 様子見 |
| 4日目夜 | 0回 | 排尿なし | ぐったり・嘔吐 | 0mL | 緊急受診 |
診断: 尿路閉塞・急性腎不全
治療内容: 緊急カテーテル・点滴・入院治療
費用: 約15万円
入院:一週間ほど
💡 教訓:
「2〜3日様子を見る」という判断で、取り返しのつかない結果になることがあります。
特にオス猫は尿道が細く、12〜24時間で腎不全に進行することもあります。
🚨 猫のおしっこ回数が少ないときに見るべき3つのサイン

🩺 サイン①:トイレに行くのにおしっこが出ていない
- 排尿ポーズを取るが出ない・少量のみ
- トイレを何度も出入り
- 排尿時に鳴く
- 下腹部が硬く張っている
- 陰部を頻繁に舐める
⏱ 受診の目安:
- オス猫: 12時間以上排尿がない場合は即受診
- メス猫: 24時間以上排尿がない場合は緊急受診
💬 少量でも「以前より極端に減った」場合は、12時間を待たずに受診しましょう。
🧴 サイン②:おしっこの色・においの変化
正常な尿は淡黄色で弱いアンモニア臭程度。
次のような変化があれば要注意です。
| 変化 | 疑われる原因 |
|---|---|
| 赤っぽい | 血尿(膀胱炎・結石) |
| 白く濁る | 細菌感染・結晶尿 |
| 強いにおい | 膀胱炎・濃縮尿 |
| 薄すぎる色 | 慢性腎臓病・糖尿病 |
| 濃い黄色〜オレンジ | 脱水・飲水不足 |
💡 観察のコツ:
白い砂(シリカゲル系)や尿チェックシートを使うと変化が分かりやすいです。
💧 サイン③:水を飲む量の変化
猫はもともと水をあまり飲みませんが、
急に「飲まなくなった」「逆に飲みすぎる」変化があると要注意です。
| 状況 | 疑われる疾患 |
|---|---|
| 飲まなくなる | 尿路閉塞・脱水・痛み |
| 飲みすぎる | 腎臓病・糖尿病・甲状腺機能亢進症 |
📏 家庭での測り方:
- 朝に水入れを計量カップで満たす
- 夜に残量を量り、差を記録する
- 目安(4kg猫の場合)
・ドライ中心:160〜240mL/日
・ウェット中心:40〜120mL/日
※ウェットフードには70〜80%の水分が含まれます。
飲水量が少なくても、食事で摂れていれば問題ない場合もあります。
🏠 自宅でできるケアと観察のコツ

水分をとりやすくする工夫
- 常温の水を複数箇所に置く
- 自動給水器を使う
- ウェットフードやスープを活用
- ドライフードにぬるま湯を加える
- 無塩のチキンスープや魚の茹で汁を少量加える
トイレ環境を整える
- 清潔に保つ(1日2回以上の掃除)
- 猫の頭数+1個のトイレを用意
- 静かで安心できる場所に設置
- 体長の1.5倍以上の広さが理想
記録をとる習慣
- 排尿回数・量・時間をメモ
- 飲水量を毎日計測
- 尿の写真を撮る(診察時に役立つ)
- 食欲・元気・嘔吐なども一緒に記録
🗒 こうした記録が、獣医師の診断を早める大きな助けになります。
🩹 受診の目安早見表

| 状況 | 症状 | 緊急度 | 対応 |
|---|---|---|---|
| オス猫で12時間排尿なし | トイレに行くが出ない | 🚨🚨🚨 | 今すぐ受診(夜間でも) |
| メス猫で24時間排尿なし | 排尿姿勢をとるが出ない | 🚨🚨🚨 | 今すぐ受診(夜間でも) |
| 2〜3日続けて回数減少 | 少量・濃い尿・元気がない | 🚨 | 当日〜翌日に受診 |
| 血尿・濁り | 色やにおいの変化 | ⚠️ | 2〜3日以内に受診 |
| 排尿時の鳴き声・痛み | トイレを行き来 | ⚠️ | 翌日までに受診 |
| 多飲多尿 | 特に7歳以上 | 💡 | 1〜2週間以内に検査 |
🎓 動物看護師の視点から

猫のおしっこは、体の健康状態を映す鏡です。
「出ない」「減った」「色が変わった」といった小さな変化に気づくことが、重症化を防ぐ最初の一歩になります。
🏥 病院で行う主な検査
- 尿検査(比重・pH・結晶・細菌など)
- 血液検査(腎機能・電解質)
- 超音波・レントゲン検査(結石・膀胱の状態)
- 身体検査(膀胱の張り・脱水・体温など)
🐈 年齢・性別による注意点
| 区分 | 注意点 |
|---|---|
| 若いオス猫(1〜6歳) | 特発性膀胱炎・尿閉塞リスク高。12時間出なければ受診 |
| 若いメス猫(1〜6歳) | 膀胱炎が多い。放置は禁物 |
| 中高齢猫(7歳以上) | 慢性腎臓病リスク増加。定期健診を推奨 |
💡 再発予防のポイント
- 療法食の継続(自己判断で中止しない)
- 水分摂取を促す習慣づくり
- ストレスを減らす環境作り
- 定期的な尿検査(3〜6ヶ月ごと)
- 適正体重の維持
🐱 まとめ

- 猫のおしっこ回数の減少は体からの大事なサインです
- 3つのチェックポイント:
- トイレに行くのに出ていない
- 尿の色・においが変わった
- 水を飲む量が極端に変わった
- オス猫で12時間、メス猫で24時間排尿がなければ夜間でも受診を
- 「2〜3日様子を見る」は危険。早めの受診が命を救います。
💬 「少し様子を見てみよう」と思う前に、まずは獣医師に相談してみましょう。
早めに気づいてあげることで、猫ちゃんも安心して元気を取り戻せます。
毎日のちょっとした観察や記録が、猫ちゃんにとって何よりのサポートになります!
猫ちゃんの 食事・生活習慣・病気予防 など健康に役立つ記事もまとめていますので、ぜひこちらも参考にしてみてください

著者紹介
実体験をもとに「猫と快適に暮らすヒント」を ”ねこだよ!” で発信中。
私たちの日常の様子は、YouTubeでも紹介しています。
みーちゃん family – YouTube
※免責事項
本記事の内容は一般的な参考情報です。
すべてのペットに同じ効果があることを保証するものではなく、個体差があります。
健康管理やケアは、必ず獣医師などの専門家にご相談のうえで行ってください。
自己判断での治療やケアは避けるようにしてください。

